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大学訪問
新卒採用
研究室訪問
2023
04
28
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新卒採用を成功させるためには、「ターゲット校との関係構築」が重要です。 どのように大学とコンタクトを取れば良いのかなど、関係構築のコツについて東京大学キャリアサポート室・上戸氏へ取材させていただいた内容をまとめました。

直撃インタビュー!東大現役キャリア担当者に聞いた、大学訪問のコツ

「大学訪問」の基本的な流れはこちらをチェック

サイシード取材担当(以下、筆者):いつもお世話になっております。改めまして、取材についてご快諾いただきありがとうございます!本日はよろしくお願いします。

上戸氏:よろしくお願いします。

問合せは埋もれる?企業からの問合せ頻度とよくある内容とはーー

筆者:今回の取材背景として、サイシードが日々クライアントとお話する中で、大学との関係構築についてご相談いただくことがとても増えており大学側の生の声をお聞きしたいというのがあります。
そもそも、「どのようにコンタクトを取るべきか分からない」といったご相談も多いのですが実際にはどのような内容での問合せが多いでしょうか?

上戸氏:よくある問合せとしては、
・合説関連(開催予定時期/申込方法/具体的なイベントの形式についてなど)
・合説へ参加させていただくにあたってご挨拶させてほしい
・内定者が出たのでご挨拶させてほしい、次年度の採用に向けて情報交換させてほしい
・電話でヒアリング(「●●大生の傾向を聞きたい」など)
・求人票送ります、置いてもらえますか
・会社案内や入社案内のパンフレット置いてもらえますか
といった内容がほとんどです。

筆者:問合せ頻度としては、どの程度あるものなのでしょうか?

上戸氏:1日1社ある、と言えるくらいの件数はいただいています。
コロナ禍になってから少し減りましたが、コロナ以前であれば、1日に3-4社と面談のお約束がある日も珍しくないほどでした。

  ✓ 大学は日々企業からの問合せを受けており、その数年間数百社!

  ✓ よくある問合せは「合説関連」「求人票送付/設置関連」

大量の問合せの中に埋もれず、アポイントに繋げるコツとはーー

筆者:年間でいうとかなりの企業数になりますね。毎週多くの問合せがある中で、実際にアポイントに繋がるのはどういったケースが多いのでしょうか?

上戸氏:アポイントの流れになるのは、
「採用の実績が出たのでご挨拶させてほしい」というパターンがほとんどですね。
他には、「HPに載っていた●●という情報を見たんですがこれについて詳しく教えてほしい」であったり、「過去のイベントで▲▲という取り組みをされていたのを見て、弊社もこういう点でマッチすると思うので参加させてほしい」など、
具体的なお問合せはアポイント調整となるケースがあります。

筆者:やはり直近の採用実績というのはスムーズに繋げられそうですね。
また、“前情報をしっかり持って具体的な話をする“という点は参考になります。
反対に、アポイントをお断りしたいと思う依頼の傾向などはありますか?

上戸氏:基本的にはお問合せいただいたら時間を作りたいと思ってはいますが、
HPで見れば確認できるような内容の質問をされたり、漠然と「挨拶がしたい」と提案されたり、
こちらが公開している情報を全く調べずにご連絡いただくようなケースは、正直対応に困ります。
また、“大学へは実際に足を運ぶのが重要”というイメージがあるかもしれませんが、
「求人票を渡すこと」が目的のアポイントであれば、
わざわざ来ていただかなくても、メール添付や郵送で十分と私は考えています。

  ✓ 「求人票を渡す」など単純な目的であれば必ずしも「訪問」という行為は重視されない

  ✓ アポイント獲得のコツは、「具体的な目的や内容」を明示すること

  (番外コラム)

  関西の某国立大学のキャリア担当者様からもお話を聞く機会がありましたが、
その方は基本的に「来るもの拒まず」のスタンスでアポイントを受け入れているそうです。
企業の採用担当者にとって大学訪問のアポ取りはハードルを感じてしまうこともあるかもしれませんが、
まずは連絡をとってみることが大切です。

鍵は「15分の壁」?!アポイントを有意義なものとするためにーー

筆者:具体的な目的や内容があることがポイントとなるのですね。
それで言うと、先程アポイントの流れになりやすいケースとして「ご挨拶アポ」を挙げていただきましたが、
実際どんな内容なのでしょうか?少し抽象的な気もします。

上戸氏:確かに、簡単なご挨拶・求人のお話と、先方からの質問に終始し30分予定のアポイントが15分程度で終わるケースもあります。むしろそういったパターンが多いかもしれません。
一方、先方が会社案内や直近の東大生の採用実績・傾向、質問などを事前にまとめて資料としてご用意くださるケースも結構あるのですが、そういった場合ですと結果的に30分程度お話ししていた、ということが多いです。
念のため補足しておくと、本学専用の資料が必要だとは全く思っていなくて、
一方的な内容で終わらず有意義な情報交換ができればお互いに良いなと考えています。

筆者:なるほど。アポイントをいただけたとしてもそこには“会話の続きづらさ(続きやすさ)”という意味で「15分の壁」があって、
15分程度で終わってしまうと「その他大勢」に過ぎず、30分かそれ以上お話しができると、
多少なりとも有意義な場にできていた、という一つの目安にできそうですね。

  ✓ 大半の企業が「15分以内」のアポイント

  ✓ 「15分以上」の「有意義な」アポイントの鍵は事前準備。伝えたいこと、聞きたいことをきちんと整理しておくと◎

  (番外コラム)

   たくさんのアポイントを受ける中で「印象に残るアポの特徴」を
前述の某国立大学のキャリア担当者様に聞いてみると、
「雑談でもいいから話が盛り上がったとき」とおっしゃっていました。
「例えば地元が同じとか、子どもの年齢が近いとか、パーソナルな会話ができると印象に残りますね。
やっぱり人間なので、そういった情報がある方がお相手の方を覚えやすいです。」と。
もちろん企業(組織)の顔として有益な情報交換をすることも大切ですが、
気負わず、”人と人のコミュニケーション”として臨んでみるのもいいかもしれません。

一度きりのアポイントに終わらず、一歩踏み込んだ関係に発展させるには?大学側が企業に求めていることとはーー

筆者:ところで、アポイント後に実際に合説へ招待したなどの事例はどれくらいあるのでしょうか?

上戸氏:どれくらいというと難しいですが、お打合せの後にイベントをご案内するなどはもちろんあります。
ただ、合同企業説明会の参加については、本学の学生の志向なども考慮しますので、必ずしもアポイントの内容次第というわけではないのですが・・・。
最近ですと、合同企業説明会など既存のイベントに参加したい、というお問合せだけでなく
例えば自己分析とか、GD対策とか、そういった学生支援のコンテンツを企業様からご提案いただくことも増えました。

筆者:企業説明会の場だけでなく、どうやって学生に知ってもらうか、ということに各社様腐心されている様子は日々伺うので、自然な流れな気もします。
そういったコンテンツで採用された例はありますか?

上戸氏:あります。ただ、自己分析講座などであれば既にキャリアサポート室で実施しているというのと、
どうしても、1つの企業様にお願いすると個別の企業説明会のようになってしまう傾向があるのでお断りすることが多いです。
自社の採用広報としてではなく、キャリア教育という広い視点で企画を考えていただけるものは大歓迎で、
例えば、某戦略コンサルティングファーム様からご提案いただいた「ケース面接講座」は今年実施することが決まっています。
実施決定に至った背景としては、
本学の学生の傾向としてコンサル業界へ非常に関心が高く同業界への入社者も毎年複数いること、
ケース面接はなかなか練習の機会を作りにくいこと、
人事担当者ではなく現場のコンサルタントの方が講師をされるという企画内容などが挙げられます。

筆者:先程、合説の誘致についても人気業界を考慮するというお話がありましたが、
その大学の学生のニーズ、つまり人気業界や傾向を踏まえた上で、仕事理解やキャリア観の醸成などに寄与できる企画をご提案できれば、
一歩踏み込んだ関係に発展させることができそうですね。

  ✓ キャリア形成・キャリア教育関連の企画に大学ニーズあり

  ✓ 自社の採用に直結させることを急がない、地道な取り組みがポイント

最後に

筆者:ここまでたくさんお話しいただきましたが、最後に、この記事を読んでくださっている企業の方へ向けてメッセージがあればお願いします!

上戸氏:日々お問い合わせいただく中で、本学の場合どうしても“敷居が高い”と思われがちだと感じる場面が多いのですが、お気軽にお問合せいただけたらと思っています。
今日はアポイントに繋がりやすいケースなど色々とお話ししましたが、
基本的には、「ご挨拶したい」とご連絡いただいたら、できるだけ時間を作るようにしています。
今はオンラインなど、便利なツールもありますので。
どの大学の学生であっても、就職活動は「はじめての経験」である点に変わりはなく、
本学も年間で3,000名強の学生がキャリア相談に来ている状況です。
キャリア担当者としては、学生にとって有益な選択肢が増えることは良いことと考えていますし、
私自身、民間企業で採用に関わっていたこともあります。採用について私自身の知見からお話ししたり、情報交換できることはあると思いますので是非まずはご連絡いただけたらと思います。

筆者:本日はどうもありがとうございました!

プロフィール

名前:上戸 麻依子(かみと まいこ)
所属:東京大学 キャリアサポート室
肩書:特任専門職員

大学卒業後、新卒採用における就職情報会社(2社)にて約7年、企業の採用支援を行い、外資系コンサルティングファームにて戦略コンサルタント採用業務を経験。2015年2月から現職。年間約60回程度のイベント、ガイダンス、ワークショップ等の企画・運営者。東京大学に所属する学部・大学院生・博士・ポスドク・外国人留学生など多くのステージで生じるニーズや課題をキャッチしながら、これまでの経験・知識を生かし、積極的に企画立案を行っている。
全ての学生が、納得のいく進路で活躍していくことを目標とし、これまではなかった学内での学部・研究科とのネットワーク構築を実現、採用やキャリアを通じて他部署との連携も図り、学内各事業に貢献している。

編集後記――

いかがでしたでしょうか。
今回の取材を通し、改めて、大学訪問は営業活動そのものだと感じました。
知らない人材会社からの営業電話で、漠然と「アポください」と言われて困った経験のある人事担当者の方は多いのではないでしょうか?
せっかく時間をいただくのであれば事前準備をきちんとして臨み、
お互いにとって有益な機会とするための努力が必要とされます。
今回は東京大学様にご協力いただきましたが、学生のより良いキャリア選択のために、
企業様と良い関係を築きたいと考えていらっしゃる大学様は少なくないはずです。
この記事が参考となれば幸いです。
ターゲット大学の絞り方や、より具体的な大学アプローチの方法などは以下からご相談ください

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