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新卒採用において、理系学生をはじめとした優秀な人材の獲得競争が激化しています。近年、注目されている採用マーケティングの概要と導入方法のほか、採用マーケティングを成功させるポイントを紹介します。

採用マーケティングとは? 新卒採用を成功させるポイントを解説

新卒採用においては、デジタル事業やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進人材、AI人材などに適している理系学生をはじめとした、優秀な人材の獲得競争が激化しています。また、2021年卒の新卒採用から、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)の会員企業が守るべき就活ルールが廃止されることにより、就職活動の早期化や通年採用を取り入れる企業が増えることが予想されます。そのため、2021年以降の採用活動は、これまでとは異なるアプローチが必要になってくるでしょう。近年では、採用活動にマーケティングの概念を導入した、採用マーケティングという仕組みに注目が集まっています。
ここでは、採用マーケティングの概要や導入方法のほか、採用マーケティングを成功させるためのポイントをご紹介します。

採用マーケティングの概要

採用マーケティングとは、マーケティングの視点を採用活動に応用したものです。マーケティングでは、顧客のニーズを掘り下げることによって、製品やサービスなどが、顧客に選ばれて売れるようにします。
その視点を取り入れた採用マーケティングは、学生の求めるものを理解し、企業の情報を伝えることで興味を惹き、応募者を増やしていくことを指します。

採用マーケティングが導入される背景

これまでの採用活動では、就活情報サイトへの掲載をメインとして、母集団をどれだけ形成できるかに注力していました。しかし、近年はこのような採用活動だけでは母集団の形成が難しくなってきたため、企業側から積極的に、求めるスキルを持つ学生にアプローチする採用手法が注目されるようになったのです。

例えば、理系に特化するといった専門性が明確なイベントへの出展や、人材データベースを使って企業から直接学生をスカウトするダイレクトリクルーティングのことです。そのほかに、ターゲットにしたい大学に訪問して、求人票の設置や大学内のセミナーへの出展につなげたり、OBやOGのコネクションを活用して研究室に訪問したりすることなどが挙げられます。

こうしたアプローチ方法の効果を最大限引き出すには、学生のターゲット像やペルソナを明確にすることが求められるため、採用においてもマーケティングを活用することが重要になってきたのです。

ダイレクトリクルーティングや大学訪問について、詳しくは下記の記事をご確認ください。
ダイレクトリクルーティングで新卒採用を行うメリットや費用を解説
大学訪問で新卒採用を成功させるために、企業が知っておくべきこと

採用マーケティングが欠かせない理由

これまでの新卒採用においては、就活情報サイトに掲載したり、イベントに出展したりしていれば、ある程度母集団が作ることができ、採用につなげられました。

しかし、デジタル化が進むにつれ、IT人材やDX推進人材、AI人材など職種が細分化されて、理系の中でも自社の職種にマッチした人材確保が求められるようになってきました。
また、売り手市場が続いていることに加え、中長期的な視点では少子化の影響を避けられなくなるため、特に理系学生の採用においては、競争が激化していくことが予想されます。

近年でも、自社にマッチした学生のターゲット像がわかっていても、大手有名企業のように認知度が高い一部の企業を除けば、人材確保が難しい状況が続いています。そこで、採用マーケティングを導入することで、自社の認知度を上げ、学生が応募してくれるような仕組みを併せて考えていくことが求められているのです。

採用マーケティングを成功させるための基礎知識

採用マーケティングを行うためには、まずはマーケティングに関する知識が必要です。続いては、採用マーケティングを成功させるために知っておくべきマーケティングの基礎知識をご紹介します。

採用ファネル

ファネル(またはファンネル)とは「じょうご」のことで、大きい容器に入った液体などを、口径の小さい容器へ移す際に使われる逆三角形の器具のことです。これにあてはめて、消費者の商品購入までの意識の遷移を図式化したものをファネルと呼んでいます。意識の遷移とは、消費者が商品を認知し、そこから興味を持つ人、さらにその商品とほかの商品を比較・検討する人、最後に購入する人という意識の流れのことです。

このファネルを採用プロセスにあてはめると、学生が企業を認知し、その企業に興味を持つ学生が残り、その企業とほかの企業とを検討する人が残り、最後に企業に応募する人が残ることになります。意識遷移が進むにつれて人数が絞られていくため、逆三角形の形になっていくのです。

ペルソナ(採用ターゲットの選定)

ペルソナとは、マーケティングの世界では「典型的なユーザー像」のことを指します。例えば、ある商品を売りたいと考えたときに、その商品を買うペルソナ(ユーザー像)を設定するのです。ペルソナを設定する際は、年齢、性別、家族構成、学歴、職業などのほか、趣味や休日はどのように過ごすのかといった趣向や行動まで詳細に想定します。具体的にペルソナを設定することで、このペルソナの人物が商品を購入するにはどうアプローチしたらいいのかといった、効果的な宣伝方法が考えやすくなるのです。
採用マーケティングでは、企業が欲しい学生のペルソナを設定することで、その学生が自社に興味を持つにはどうしたらいいのか、具体的なアプローチ方法や採用手法を考えていきます。

SWOT分析・3C分析(自社分析)

設定したペルソナに対して自社の魅力を効果的にアピールするためには、まず自社を分析して、アピールポイントを知る必要があります。そのようなときにマーケティングの世界では、「SWOT分析」や「3C分析」といった手法を使います。

SWOT分析とは、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(市場機会)」「Threat(外部脅威)」という4つの観点から俯瞰して分析することです。これを採用マーケティングで取り入れる場合、自社の強み、自社の弱み、売り手市場の緩和(求人倍率の低下)、少子化や業界をまたいでの理系学生のニーズ増加といったことを挙げていきます。

3C分析とは、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」という3つの観点から分析して、戦略を練るフレームワークのこと。採用においては、ペルソナで設定した学生、競合企業、自社の関係性を明確にして、自社を選んでもらう戦略を考えていくことになります。
なお、この手法を採用マーケティングにあてはめるのであれば、経営理念や経営戦略、事業内容などを他社と比較し、強みと弱みを見つけるといいでしょう。

採用マーケティングのメリット

採用マーケティングを導入して採用活動を行った場合、これまでの採用手法に比べて、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。続いては、採用マーケティングのメリットをご紹介します。

1 自社とマッチ度の高い人材を獲得できる

就活情報サイトなどの募集では、幅広く宣伝することができますが、必ずしも自社がターゲットにしている層からの応募があるわけではありませんでした。しかし、採用マーケティングでは、欲しい学生の人物像をペルソナ設定し、効果的にアプローチしていくため、自社がターゲットにしている学生からの応募の比率が高まるといえるでしょう。

2 採用コストの削減が期待できる

採用マーケティングでは、設定したペルソナに対して効果的なアプローチのみに絞りますので、広告費などの採用コストが抑えられる可能性があります。また、自社にマッチした人材の応募が増えれば、採用活動を短期化することで、採用プロセスにかける人的コストも下がるでしょう。

3 人材が定着しやすい

自社とマッチ度の高い学生であれば、内定辞退が減る可能性があります。自社で活躍するためのスキルや知識があり、社風が合うからこそ、入社後に定着しやすくなるのです。

採用マーケティングの導入方法

実際に採用マーケティングを導入する場合、何から始めれば良いのでしょうか。続いては、新卒採用で採用マーケティングを導入する際の流れをご紹介します。

1 ターゲットを明確にする

まずは、採用したいターゲットを明確にするために、ペルソナ設定を行います。前述したように、自社が求めるスキルや知識がある人物の属性や趣向、行動パターンを細かく設定しましょう。
具体的にペルソナを設定することで、その人物がどこにいるのか、どういったアプローチ方法がいいのかといった戦略を立てることができます。社内で認識の違いが起きないように、人物を表す言葉選びなども慎重に行うことをおすすめします。

2 自社の魅力を分析する

次に自社の分析を行い、どんな魅力を学生に伝えていくのかを検討します。就職先候補として自社に興味を持ってもらうには、他社にはない魅力や働いた上でどんな将来像が描けるのかといったことを伝えていくことが必要です。自社の魅力を伝える上では、しっかりと採用コンセプトや自社のキャッチコピーを固めておくことが大切でしょう。また、自社の魅力を伝える方法として、社員インタビューなどを活用するのもおすすめです。

3 採用計画を設計する

採用計画では、いつまでに内定を何人出すといった目標のほか、採用手法の選定や、年間スケジュールの作成を行います。採用手法を選定するときは、ペルソナの行動パターンを予測して、就活情報サイトや合同企業説明会などのイベントのほか、ダイレクトリクルーティングといった採用手法のうち、どれが効果的にアプローチできるのかを考えます。採用計画はできるだけ数値化して、結果を後から検証できるようにしておくこともポイントです。

4 採用計画を実行し、検証する

最後は、採用計画どおりに実行します。採用活動の途中や終了した際に、どれだけの成果が出ているのかといった数値を検証していくことも大切です。どこが課題だったのか、成功したポイントがどこなのかといった点を検証することで、次年度の採用活動にも応用できます。採用マーケティングではデータをうまく活用して、ノウハウを蓄積していくようにしましょう。

採用マーケティングに活用できるメディア

採用マーケティングにおいて、学生たちに自社の認知をしてもらうにためには、メディアの活用が不可欠です。続いては、採用マーケティングに活用できる3つのメディアをご紹介します。自社の状況に応じて、メディアを併用してお役立てください。

ペイドメディア

ペイドメディアとは、企業が料金を支払うことで、企業情報や求人情報を掲載してもらうメディアのことです。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌はもちろんのこと、インターネット広告もペイドメディアに分類されます。
採用活動でよく利用されるペイドメディアは、就活情報サイトや就職情報誌などです。ペイドメディアは認知度が高く、集客力がありますので、多くの学生に見てもらえるチャンスがあります。しかし、情報を掲載していても、名前の通っていない企業の場合は、見てもらえない可能性も高くなるでしょう。なお、応募がなくても、掲載料はかかります。

オウンドメディア

オウンドメディアとは、自社で運営しているメディアのことです。主に、採用サイトやブログのほか、自社が運営するWEBマガジンのことを指す場合もあります。
自社で運営していますので、社員や社内の様子といった自社の情報を気軽に掲載することが可能です。ただし、自社の認知度がなければ、オウンドメディアを見てもらえない可能性があります。また、オウンドメディアはコンテンツを継続的に更新していく運営体制を作る必要があるほか、人件費やサイト制作費といったコストがかかります。

アーンドメディア

アーンドメディアとは、ユーザー自身が情報公開や拡散ができるメディアのことです。主にTwitterやFacebookのほか、InstagramといったSNSが、アーンドメディアに分類されます。
学生にとってSNSは、情報収集ツールとして認知度が高いため、アーンドメディアの活用に成功すれば、自社の認知度や好感度がアップできるでしょう。ただし、オウンドメディアと同様に、継続的に更新が必要な上、フォローされない場合は、情報拡散の効果が得られないことがあります。

理系や上位校に特化したサイシードの新卒採用ツールで人材を獲得しよう

これからの新卒採用においては、採用マーケティングを取り入れて、ターゲットにしたい人材を設定し、企業側から積極的にアプローチしていくことが大切です。そのため、採用担当者は、これまで以上に採用活動において考えることが多くなるでしょう。
採用マーケティングは効果的ですが、ペルソナ設定や分析など慣れない作業に時間がかかって、採用活動がおろそかになっては元も子もありません。採用マーケティングに慣れないうちは、新卒採用支援事業者を利用することもひとつの手です。

新卒採用支援事業や理系学生用のイベント企画・運営などを行っているサイシードでは、全国1万4,000件という研究室のリストを持っており、研究室に求人票や採用パンフレットなどの採用ツールを送ったりすることができます。もちろん、「MARCH以上の大学」「機械系」といったフィルタリングも可能です。

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また、サイシードには、理系、国立、上位校中心の会員サイト「UNIGRAB」があります。UNIGRABは、就活情報サイトとダイレクトリクルーティングの中間型のサイトで、大学や専攻、志望業界や志望職種、希望勤務地、帰省先、インターン参加やOB・OG訪問実績などでターゲットを選定して対象者へ一括チャット配信することができます。UNIGRAB内でメールよりも気軽に学生と連絡がとれることが特徴です。

また、会社情報や動画を掲載し、サイト内で『第二採用サイト』のように活用することができます。UNIGRABの会員データベースからチャット一括配信をすることで自社の動画へ誘導を図り、チャットでQA対応するなどして学生へ興味喚起することができます。

サイシードの採用アナリストは、企業様のニーズに合わせた採用マーケティング・アプローチ方法をご提案します。20年来の豊富な知見や実績をもとに、またコロナ禍による学生・市場の変化を踏まえた上でのご提案もできますので、ぜひお役立てください。理系や国立、上位校に特化した新卒採用をお考えの際は、ぜひサイシードにご相談ください。

理系採用対策サービス資料を以下のフォームからDLが可能です。是非ご活用ください。

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